チームアプローチと訪問看護の未来
2018/02/27
【訪問看護サミット研修報告】
超高齢社会を迎え、国の保健医療・福祉政策も施設から在宅へ、地域包括ケアシステムの構築へと移ってきたこともあり、在宅ケアの分野でも多くの専門職種が活躍しつつある。
この流れの中で、サービスの受け手を中心とした専門職間のチームアプローチの重要性は誰もが理解している。今回のサミットでは、医療専門職として在宅診療医の、めぐみ在宅クリニックの小澤竹俊先生の特別講演をはじめ、シンポジウムでは、在宅歯科医、薬剤師、作業療法士の立場からの講演を拝聴することができた。
午後からは、「チームアプローチにおいて訪問看護をどう発展させるか」というテーマで、訪問看護ステーションの管理者である3名の所長さん方より、機能強化型訪問看護ステーションとしての地域での看護実践や、特定行為研修修了者の活用による看護の質の向上、栃木県壬生町での活動報告など、具体的な内容での発表があり、多くの示唆を頂く機会となった。平成30年診療報酬・介護報酬ダブル改定が行われる中で、看取りや訪問看護の在り方、リハビリテーションサービスの提供の在り方など論点があがっている。在宅看取りや緊急時対応の増加も予想され、今後24時間対応や、訪問看護ステーションの大規模化の必要性も言われているが、訪問看護の現場で働く看護職の確保が困難であることも課題にあがっている。訪問看護の現場の声を引き出しながら、職場環境の改善などの看護政策に取り組む必要性を痛感したので、今後の連盟活動に活かしていきたい。
幹事 稲本清美