11月23日、24日「九州ブロック看護管理者等政策セミナー」が開催されました。
令和元年11月23・24日今年から担当県で開催となり、鹿児島東急REIホテルで実施した。政策セミナーの目的は1) 看護連盟、看護協会の組織を強化し、自律した組織、会員を育成する 2) 看護管理者等の政治への関心を高める となっている。
そのため、九州ブロック各県の看護連盟、看護協会役員及び看護部長等看護管理者等69名の参加を得た、内鹿児島県は13名であった。
プログラム内容は、①日本看護協会の看護政策、②看護政策実現のための看護連盟の役割、③社会保障の医療、介護政策を実現する3つの方法と手段、④髙階・石田参議院議員の国政報告、⑤看護議員当選に向けての各県の取組み、⑥これからの看護業務にICT、AI導入の可能性で設定した。大変好評で満足度も100%~72%で③④⑥を報告する。
満足度100%の島崎謙治先生(政策研究大学院大学教授)の講義「医療政策の動向と課題」では、現状分析で日本全土各県別の現在の高齢化率と2045年の高齢化予測を目の当たりにし、衝撃の声が上がった。目標設定では、社会保障の理念及び評価基準を明確にして政策立案をして早急な対策の必要性がある。方法論は、各県別で吟味が必要であり、①県の現状及び将来像の認識の共有化 ②診療報酬・介護報酬一辺倒の政策手法から、計画手法とのポリシー・ミックスが必要 ③地域特性を踏まえ総合企画・調整能力を有する自治体職員の育成が不可欠である。未病対策・介護予防対策・認知症ケアの充実など、私たちは刻々と変化する行政の動向にも目を向けていく必要を痛感した。
満足度95%の宇都由美子先生(鹿児島大学病院)「看護業務へのICT、AI導入の可能性」では、病院の変革・看護の情報システム化の変遷から始まり、地域医療構想まで、多岐にわたる難しい内容を、わかり易く講義していただいた。自分の五感を使って患者としっかり向き合い全人的に対象をとらえ、アセスメントすること。ITは、病院経営、院内・院外連携上も有効で活用の重要性を強調された。石田議員も宇都先生の講義を引用し「アセスメントが記録に反映しているか」自問してみようといわれた。アセスメント能力がいかに重要で、これが看護の質を上げる一番の能力であると感じた。
国政報告は、具体的に聴けた事で満足度は84%であり資料がないことが意見に上がる。
たかがい恵美子参議院議員は、看護職の給料を上げることに一番力点をおいている。病院の8割は民営であり、自分達も現場で取り組むべきで、一病院でやれなければ、連盟で団結して行うべきと力説された。介護職の特定介護加算は介護職のみへの支給ではない事も正しく理解して現場で声を上げていく勇気を持つべきと訴えられた。
石田昌宏参議院議員は、看護記録時間が長く、ベッドサイドケアを削っている状況が問題。記録の簡素化、チェック方式など改善が必要である。地域医療構想を実現するためには、高齢者数・医療費・看護師数の予測をして、看護の質を上げ担保できるように考えるべきと訴えられた。
受講者からは、政治が身近な存在に思えた。私たちが押し上げた議員が住民の命と生活に直結した施策で活躍されている姿を見て誇らしかったとの意見がよせられた。
(文責 幹事長 今吉 和子)